★ こよみのちから


 わたしたちにとってはカレンダーのある暮らしが当然のもので、それらの力については意識したことすらないでしょう。でも、少し考えてみると、カレンダーを使っているのは人間だけだということに気づきます。

 カレンダーを持たない動植物も、自然の周期に従っています。決まった時期に花を咲かせ、実を結び、種を落とす。産卵し、子育てをし、渡りをする。彼らはカレンダーを使わなくても適切な時期を知っているようです。

 では、人間だけがカレンダー(こよみ)を必要とする理由は何でしょうか?

実のところ、僕自身、その答えを知りません。ただ、カレンダーを持たない数万年前から、人は星々の動き、月の満ち欠け、日の出の位置や昼と夜の長さなどの宇宙のリズムが周期性を持っていて、動物も植物もその周期に従って活動していることを感じていたのではないでしょうか。

 そして、宇宙のリズムの周期性を目盛り、予測することで、自然の活動を予測することに役立てたのではないでしょうか。単に宇宙のリズムに従うだけでなく、リズムを予測することで、人は自然からより多くの収穫を得たり、災害を最小限にすることができるようになります。

 生産、収穫に必要な活動の時を目盛り、祈りや感謝を捧げる祭りの時を目盛る。カレンダーを手にしたからこそ、人間は自然に働きかける力、地上を支配する力を得たのだということもできるのではないでしょうか。


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